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Sketch : ベクターイメージのドローイングソフト
OS10.6以上(UB)
シェアウェア €42(今現在は期間限定で€32に割引中)
ベクターイメージのドローイングソフト「Sketch」の紹介です。

同じ作者さんが作った「Drawit」も似たようなベクターイメージを描くためのアプリケーションです。
「DrawIt」はコアイメージフィルタでビットマップ画像を加工できるなどの機能がありますが、それに対して「Sketch」はベクターオンリーの機能で、前者のアプリより「描く」機能が多いです。
「DrawIt」と同様、この手のアプリケーションの「レイヤ」の概念が独特で、1つのオブジェクト・グループが「レイヤ」となります。

長所は複数のオブジェクトが重なり合っているときなど、サイドのカラムから確実に選択できます。▼のところのリストで表示形式を選択できます。サムネイル表示してると使いやすい。
それと前後関係がわかりやすいです。
それと「ページ」というものが有り、これは1つのファイルに複数のドキュメントを保存するようなものです。ホームページの各ページのデザイン案などを「ページ」に分けておくなどすると便利かと思います。
また同じものを複数配置する、複数のページに同じ絵を配置するときなどは、その描いたオブジェクトやグループを「Symbol」として登録しておくと便利です。
「Symbol」を編集すると、「ページ」に配置した複数のシンボルが一気に編集できます。
例えば、作者さんのサンプル画像で「Man Symbol」をちょっと編集してみると・・・

「Main Page」に配置されているシンボルもそれに変わります。

操作はツールバーのアイコンやショートカットキーを使っていきます。
特にツールバーは自分の使いやすいようにカスタマイズした方がいいでしょう。いろいろなツール用のアイコンが用意されています。

基本的には「Shape」ツールで何かの形を配置して、拡大縮小したり、ダブルクリックしてアンカーポイントを編集するとかします。
すぐに形が配置しないように環境設定で選択できるようになってます。

レイヤを選択して I(アイ) キーを押すとインスペクタが表示されるので、ここで線の太さ・形状や面の色・グラデーション、影の有無などを設定できます。

インスペクタを常時表示するときは、このウインドウをドラッグ&ドロップして場所を移動すると、選択を外しても常時表示されるようになります。
選択したレイヤが絵の上でどれかわからない状態になってるときは、Sキー で表示/非表示きりかえできます。
これは常に表示させておいた方がいいと思います。
よく使う操作として、上記のものを含めて箇条書きにすると・・・
- command++ ズームイン
- command+- スームアウト
- command+0(ゼロ) 等倍表示
- command+1 選択しているものをズーム
- command+2 選択しているものをウインドウの中心に
- space+ドラッグ 表示範囲の移動
- command+Z Undo
- shift+command+Z Redo
- S 「選択」を表示/非表示
(※1度表示させたら、ずっと表示させっ放しの方がいい) - I(アイ) インスペクタの表示/非表示
(インスペクタウインドウをドラッグ&ドロップして移動してやると常時表示されるようになる) - L レイヤガイドの表示/非表示
("ON" だとオブジェクトの移動のときなどに、他のレイヤのオブジェクトとの位置関係で頂点や辺が揃うようにスナップされる) - 選択して return アンカーポイント編集モードをトグル
(ダブルクリックでアンカーポイント編集モードへ、esc で戻る) - command+D レイヤ・グループの複製する
- delete 選択しているものを消去
- shift+command+H レイヤ・グループを隠す/元に戻す
- shift+command+L レイヤ・グループをロック/アンロック
- option+マウスオーバー 選択してるレイヤとポインタ上のレイヤの距離を表示する
- option+リサイズ 形の中心を基準にリサイズする
実際に何かを描いていくと手っ取り早く使い方を覚えられるので、下のような旧iTuesnsアイコン風の音符を描いてみます。

現在のiTunesアイコンの音符を基準にしたいので、その512pxの画像を取り出して、Sketch のウインドウにドラッグ&ドロップしてそれをトレースしていきます。

(トレースするときは、仮の色で半透明にして作業すると「ズレ」を修正しやすい)
トレースできたらそれぞれのレイヤをグループ化して、「Dynamic Shape」に✓し、「Union」を選択する。

こうすることによって、グループを1つのオブジェクトのように扱えます。
グループ化を解除したらまたバラバラにできるので、普通の「Union」よりも融通が効く。
このグループを複製し、その1つをグループ化解除してそれぞれのレイヤにグラデーションを付けていきます。(複製するのは形を誤って崩してしまったときの予備を作っておく意味もあるので)
まず「お玉」部分から。
インスペクタを開いて「Fill」>「Radial Gradient」を実行。
グラデーションのガイドが表示されるので、中心・円周・楕円の具合を調整して、だいたい元の「お玉」の部分の形に合わせます。

半径にあたる部分のライン上をダブルクリックすると、その部分の色を設定できます。
(グラデーションの自由度はかなり高いと思う)
次に内側に半透明の楕円を描きます。楕円の形をアンカーポイントを弄ってちょっと崩した形にします。

インスペクタで白の透明で内側の影を付けます。
(Inner Shadow だと輪郭が強調されすぎなんだけど、見なかったことにしよう・・・)
もう一つ楕円を描いて、青白ぽいっ色から透明になるようにグラデーションを付けます。

これができたら「お玉」の部分をグループ化。複製してもう片方に合わせて傾きや形などを微調整します。
次に♫の上部に色を付けていきます。
縦方向にグラデーションを付けます。(お玉の部分との境はできるだけ近い色になるように調整します・・・と書いてるけど、ほとんど隠れてしまうのであまり意味はないので忘れて下さい。画像の方に書いた文を修正してないだけです。)

この上の部分を複製して、今度は横方向にグラデーションをかけます。真ん中の部分は透明にし、下のレイヤが見えるようにする。

(なんだか苦し紛れな表現方法だけど、バージョンアップでそのうちブレンドモードが使えるようになるらしいので、もっと楽になるかと思います。)
次にテカリ部分の Vectorツール で描きます(下のピンク部分)。はみ出すように描いて、あとではみ出した部分を統合して重なり合った部分を残すようにします。

予め下のレイヤを複製しておきます。Boolean > Intersect を実行すると2つのレイヤの重なり合った部分が残り1つのレイヤになります。(元のレイヤは無くなるので複製を作ってから)
上記の方で書いたグループの「Dynamic Shape」を使った方法でもOKです。
この部分にもグラデーションをかけます。

その次に、また上部の部分の複製を作ります。(レイヤの順番に注意。「テカリ」部分のすぐ下のレイヤにします。)一番上部の「横棒」部分のみに色を付けて下の方は透明になるようにグラデーションを付けます。

レイヤの重なり具合で、ちょうどエンボスの段差がついたような感じにします。
(言ってることが通じるか自信がないけど、意味わかるかな?)
さらに、このレイヤのおかげで下のレイヤの縦の影の部分が見えなくなってしまうので、横方向に縮小します。

次に右側の縦棒部分の「テカリ」を表現します。
新規のレイヤで四角を描いてグラデーションを付けます。

次に横棒部分の上下に細い「テカリ」のラインをつけます。
Vectorツール で新規に描き、グラデーションで色を調整します。

Sketch に「ぼかし」機能のようなものがないので、「Shadow」で代用します。
オフセット(X,Y)は0にして、Blur でぼかし具合を設定します。色は水色で。
ちょっと苦しまぎれの方法だけど、それなりに「ぼかし」たように見える。
最後に一番最初に予備でとっておいたグループのレイヤをまた使って、♫全体に「影」を付けます。
このレイヤを最下層にして、青色にします。影を適当に付けて出来上がりです。

できたものはこんな感じ。※あまり拡大して見てはいけない。

同じ表現でも、人によっていろいろなやり方があるので、上記で書いた方法が一番いいとは限りません。
('10/10/01追記)
上記で描いた「♫」を作者さんのサイトで作品例として採用してもらいました。
興味ある人はダウンロードしてみて下さい。
『Sketch | Examples』
Sketchの編集可能なサンプルファイルとしてダウンロードできます。
(追記おわり)
「Sketch」をいろいろ弄ってみて、ここでは触れていないけど、ストロークに太さを与えたり、回転しながら連続複製する機能があったり、いろいろおもしろそうな機能がたくさんあります。
version1.0.0 のころはバギーな点が多かったけど、バージョンアップを重ねるごとに安定してきています。
そのうちブレンドモードも付けるって作者さんがTwitterでつぶやいていたので、上記の苦し紛れの表現方法もずいぶんと楽になると思います。
あと「Sketch」はベクター機能に特化しているアプリケーションなので、コアイメージフィルターなどビットマップ編集機能はありません。最近のベクターアプリには大抵付いてたりするので、その辺りを期待しない方がいいでしょう。
購入を考えてる人は1ヶ月の試用期間があるので試してみるのがいいでしょう。
この記事では Sketch 1.0.4 を使用しています。
(ダウンロードリンク)
Site top page : Home | Bohemian Coding
Download page : Sketch | Vector drawing for OS X
(関連記事)
DrawIt Lite --- 同じ作者さんのベクターアプリ
(フリー版の「DrawIt Lite」は公開停止 → シェアウェアの「DrawIt」になっています)
▽同じ「タグ」が付いた関連記事
こういったアイコンの作成は独学でされているのでしょうか?
どうもありがとうございます。
アイコンの作り方は独学でやってます。デザイナーさんが作ったアイコンなどをたくさん見て参考にしてます。
僕も独学で勉強しているのですが、大変参考になります。これからも勉強させてください。
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