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2012/12/29 (Sat)

Intaglio : ベクター形式のドローイングツール
OS10.3.9以上(UB)
シェアウェア $89(日本のMacAppStoreでは¥7,800)
ベクタードローイングツールの「Intaglio」の紹介です。

僕がこのアプリケーションを買ったのはずいぶん前で、当時はもっと円安だったから1万円以上しましたが、もう元は取れるぐらい使い込みました。
よく使うショートカットキーや、主な操作方法を挙げていくと・・・
ショートカットキー など
- S 選択ツール
- X アンカーポイント・ハンドル選択ツール
- E スポイトツール
- G グラデーションツール
- C はさみツール(パスを切断)
- P パスツール
- L ラインツール
- command+Z Undo
- shift+command+Z Redo
- command+R リピート
(複製などの操作をした後に、このショートカットキーでその操作を連続して実行できる) - command+G 選択しているオブジェクト群をグループ化
- shift+command+G グループを解除
- option+command+G Unfocus Group
選択しているグループのみをフォーカスして、そのグループ内の個別のオブジェクトを編集できるモードになる(けっこう便利)コンテキストメニューからも実行できる。 - control+command+G Focus Group
グループ内の個別のオブジェクト編集モードから離脱。コンテキストメニューからも実行可。 - command+F 選択しているオブジェクトを最前面へ移動
- command+B 選択しているオブジェクトを最も後ろの面へ移動
- option+command+F 選択しているオブジェクトを1つ前の面に移動
- option+command+B 選択しているオブジェクトを1つ後ろの面に移動
- command+E 「効果」のON/OFF切り替え。「効果」の掛かったオブジェクトの細かな修正をするときなど見やすくするために使う。
- tab ツールなどの各種ウインドウの表示/非表示切り替え。
- マウスのスクロールホイール ズームアップ・ダウン(環境設定にて設定)
- command+* 選択しているものをズームアップ
- space+ドラッグ 表示範囲の移動
パスの描き方と編集
パスツールを使ってパスを描く時には、その図形の頂点でクリック、曲線を描く時はドラッグしてハンドルを出して描きます。

その図形を確定させるときには「始点」のところを option+クリック すると「Closed」(閉じた形状)なオブジェクトになります。
returnキー などで図形を確定すると「Open」(開いた形状)なオブジェクトになります。
パスの編集は白い矢印の「ポイント選択ツール」を使います。

円形ツールなどで描いたものは「円弧」になっているので、「カーブ」に変換させればハンドルで曲線を編集できるようになります。ただし、カーブに変換したときに同じ場所に複数のポイントが重なっていることがあります。
ポイントを追加する時は、その最寄りのポイントを選択して command+D で複製などをしてポイントを追加します。
この場所にピンポイントで形を変えずにアンカーポイントを追加したい、ってときは、面倒だけど「はさみツール」でパスを切断し、そこにできた2つのポイントを選択して、メニューの Object > Paths > Join を実行して、再びパスをつなげるという方法を使っています。
(もっといい方法ないかな?)
実際に何か描く例を挙げた方がいいので、簡単な黒板のiOSアイコンを描く過程で説明してきます。
Page Setup
とにもかくにも、最初に「紙」の大きさの設定をします。
アイコン用の画像をpngファイルとして書き出すのですが、「用紙」の印刷される範囲が画像データとして書き出されるので。
メニューの File > Page Setup を実行し、紙の大きさをカスタム設定します。

pngファイルで 72dpi で 512px の画像として書き出すならば、181mm四方の大きさを指定します。ただ「余白」がたくさんあった方が「試し描きスペース」として便利に使えるので、上記のように設定しています。
僕の Mac は低スペックなので、このサイズに指定してしますが、細かいグラデーションやフィルタ効果が綺麗に画面に表示されないことがあります。もっと余裕のあるものならば、2倍の 362mm のサイズで描いて書き出し、後からpng画像を指定サイズに縮小するようにした方がいいです。
(グラデーションがつぶれるとかを防ぐために、書き出すときのdpiの数値を上げていますが、実際の画面に表示されるものと、ファイル出力されたもののギャップの調整に苦しむことになるので、最初から大きいサイズで描いた方がいい)
そして Layout > Resolution… からウインドウを開き、書き出す際の dpi を 144dpi に設定します。

これで、画像データとしてファイルを書き出したときに1024pxサイズになります。
角丸四角を描く
次に角丸四角を描きます。半径90pxの円を4つ描いて四方に配置し、四角の図形と合成させて「角丸四角」を作ります。(Rounded Rectangul ツールも存在するけど数値指定できないので、ここでは使わない)

ガイドは定規もしくは右上・左下のガイドボタンから、ドラッグして描きます。
あとで Geometryウインドウで数値入力して正確に大きさ・位置を設定します。
これでメニューの Object > Paths > Unite を実行してそれぞれのパスを結合していきます。
(この辺の操作は頻繁に使うのに「メニュー」でしか実行できないので不便)
ちなみにその他参考(画像はマニュアルより拝借)

(Unite以外はオブジェクトの「前後」関係に気をつける)
角丸四角の「枠」を描く(単に縮小するのはダメ)
角丸四角ができたら、次に「黒板の枠」となる部分を描きます。
最初に描いた角丸四角をコピー&ペーストして同じ場所に配置し(これを縮小してはダメ)、Stroke を有りにして太さを調整します。さらにメニューの Object > Convert > Stroke To Fill を実行して、「線」から「塗り」に変換します。

これを選択してまたメニューの Object > Paths > Separate を実行して、大きな角丸四角と一回り小さな角丸四角に分解します(使うのは後者のみ)。
一番最初に描いた角丸四角をまたコピペして、小さな方の角丸四角と前面に持ってきて Subtract で切り欠いて「枠」の形を作ります。
以下何度か同じ操作を繰り返してこんな風に。

これらは、あとでマスク用とかいろいろコピペして使うことが多く有るので、新しいレイヤーを作って同じものを複製してから、実際の色を付けたり影を付けたりとして行きます。
(こういう機能があれば一発で済むんだけど、ないから仕方ない。)
画像を使う
次に黒板の枠を「木目調」にしていきます。
枠全体が同じ木目調だと味気ないので「分割」された感じを出したいと思います。それで、まず前に描いた枠を下のように切り欠きます。

木目の画像素材は『Wood Pattern Background | Graphic Web Backgrounds | Pixeden』から頂きました。
これをオブジェクトに貼付けます。Textureウインドウを開き、左下の「+」ボタンから「Image Texture...」を選択、その名前を設定します。そしてファイルボタンでダイアログを開き、先程の木目画像のファイルを選択します。

(今回は縦・横それぞれ別の画像ファイルを用意したけど、歯車メニューからオブジェクトの編集にテクスチャが追随するようにもできます。)
これでオブジェクトにこのテクスチャを適用させて木目の枠を作ります。

(ここではオブジェクトの「Fill」として画像を取り込む方法を採用したけど、別に普通に画像をメインのウインドウ上にドラッグ&ドロップして貼付けて、形をマスクを使って整えるといったやり方でもできます。)
Blend モードを使う
次に陰影を表現していきます。
新しいレイヤーを作って、最初に作っておいた枠の内側部分をコピペしてきて白黒でグラデーションをかけます。

これを選択したままメニューの Object > Blend > Overlay を選択します。
(これもよく使うのにメニューでしか実行できないのが不便・・・)
こんな感じになります。

他にも単色やグラデーション、テクスチャを重ねるときなどに、よく「Blend」モードを使います。ここで挙げたのは一例です。
マスクを使う
いろいろ描いていったのは省いて・・・次は枠の「つなぎ目」の部分を描きます。
角の部分に向かって「線」を描きます。ハイライトと影となる線(←Blendモードでいろいろ調整する)も描き入れるとそれっぽくなります。
これら線をグループにします。そして最初に描いておいたマスク用のオブジェクト(ピンクのヤツ)を前面に配置します。

これら2つを選択してまたグループにします。
そして Groupウインドウを開き、「Mask」の Standardボタンを選択してマスクを適用させます。

これでピンクの部分からはみ出た線は隠れます。

効果を使う
またちょこちょこと描いたものは省いて、フリーハンドツールと文字ツールで黒板の中身を何か適当に描きます。

これらを選択して Effectsウインドウの右下「+」ボタンから、オブジェクトに設定する「効果」を選択します。

効果を適用するとこんな感じ。まだまだ調整しないといけないけど。

Intaglio 独自の「効果」と、他のOSXアプリケーションでもお馴染みのCoreImageフィルタが使えるようになっています。後者の方は一部うまく機能しないものもあったり、CPUへの負荷が大きくなる(←たくさんフィルタ効果を使ったとき)ので、僕はできるだけ使わないようにしています。
例えば、Blur(ぼかし)機能はできるだけ Intaglioの「Gaussian Blur」を使うようにしています。Motion Blur とか、ぼかし範囲を広く広くしたいときなどはCoreImageの方を使います。
Effectのリスト↓

効果を適用すると、そのオブジェクトの境界が少しぼやけたりするので(もちろん「Blur」は関係ない)、マスクをかけてやるとメリハリが付きます。
そんなこんなで、途中を省いて完成です。

最後にメニューの File > Save A Copy As... を実行。保存ダイアログでフォーマットを「png」に設定して書き出します。
(別に「最後」でなくても、途中の段階で何回か書き出し、出来を確認した方がいいです)
他にも Intaglio を使って描いたものをここにupしてますよっと。
この記事では Intaglio 3.2.1 を使用しています。
(ダウンロードリンク)
Site top page : Welcome To Purgatory Design
Project page : Intaglio — Macintosh Drawing & Illustration
Download page : Download & Purchase Intaglio
MacAppStoreのリンク : https://itunes.apple.com/jp/app/intaglio/id417852764?mt=12
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