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わかばマークのMacの備忘録
初心者による Mac OSX の便利な使い方や、ソフトウェアの紹介など、Macのこといろいろ。

2010 / 09

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Sketch
icn_Sketch.jpg
Sketch : ベクターイメージのドローイングソフト
OS10.6以上(UB)
シェアウェア €42(今現在は期間限定で€32に割引中)


ベクターイメージのドローイングソフト「Sketch」の紹介です。

100919sk1.jpg

同じ作者さんが作った「Drawit」も似たようなベクターイメージを描くためのアプリケーションです。

「DrawIt」はコアイメージフィルタでビットマップ画像を加工できるなどの機能がありますが、それに対して「Sketch」はベクターオンリーの機能で、前者のアプリより「描く」機能が多いです。


「DrawIt」と同様、この手のアプリケーションの「レイヤ」の概念が独特で、1つのオブジェクト・グループが「レイヤ」となります。
100919sk2.gif

長所は複数のオブジェクトが重なり合っているときなど、サイドのカラムから確実に選択できます。▼のところのリストで表示形式を選択できます。サムネイル表示してると使いやすい。
それと前後関係がわかりやすいです。


それと「ページ」というものが有り、これは1つのファイルに複数のドキュメントを保存するようなものです。ホームページの各ページのデザイン案などを「ページ」に分けておくなどすると便利かと思います。

また同じものを複数配置する、複数のページに同じ絵を配置するときなどは、その描いたオブジェクトやグループを「Symbol」として登録しておくと便利です。
「Symbol」を編集すると、「ページ」に配置した複数のシンボルが一気に編集できます。

例えば、作者さんのサンプル画像で「Man Symbol」をちょっと編集してみると・・・
100919sk3.gif

「Main Page」に配置されているシンボルもそれに変わります。
100919sk4.gif




操作はツールバーのアイコンやショートカットキーを使っていきます。
特にツールバーは自分の使いやすいようにカスタマイズした方がいいでしょう。いろいろなツール用のアイコンが用意されています。
100919sk5.gif


基本的には「Shape」ツールで何かの形を配置して、拡大縮小したり、ダブルクリックしてアンカーポイントを編集するとかします。
すぐに形が配置しないように環境設定で選択できるようになってます。
100919sk6.gif


レイヤを選択して I(アイ) キーを押すとインスペクタが表示されるので、ここで線の太さ・形状や面の色・グラデーション、影の有無などを設定できます。
100919sk8.jpg

インスペクタを常時表示するときは、このウインドウをドラッグ&ドロップして場所を移動すると、選択を外しても常時表示されるようになります。

選択したレイヤが絵の上でどれかわからない状態になってるときは、Sキー で表示/非表示きりかえできます。
これは常に表示させておいた方がいいと思います。


よく使う操作として、上記のものを含めて箇条書きにすると・・・
  • command+ ズームイン
  • command+ スームアウト
  • command+0(ゼロ) 等倍表示
  • command+1 選択しているものをズーム

  • command+2 選択しているものをウインドウの中心に
  • space+ドラッグ 表示範囲の移動

  • command+Z Undo
  • shift+command+Z Redo

  • S 「選択」を表示/非表示
    (※1度表示させたら、ずっと表示させっ放しの方がいい)

  • I(アイ) インスペクタの表示/非表示
    (インスペクタウインドウをドラッグ&ドロップして移動してやると常時表示されるようになる)

  • L レイヤガイドの表示/非表示
    ("ON" だとオブジェクトの移動のときなどに、他のレイヤのオブジェクトとの位置関係で頂点や辺が揃うようにスナップされる)

  • 選択して return アンカーポイント編集モードをトグル
    (ダブルクリックでアンカーポイント編集モードへ、esc で戻る)

  • command+D レイヤ・グループの複製する
  • delete 選択しているものを消去

  • shift+command+H レイヤ・グループを隠す/元に戻す
  • shift+command+L レイヤ・グループをロック/アンロック

  • option+マウスオーバー 選択してるレイヤとポインタ上のレイヤの距離を表示する
  • option+リサイズ 形の中心を基準にリサイズする






実際に何かを描いていくと手っ取り早く使い方を覚えられるので、下のような旧iTuesnsアイコン風の音符を描いてみます。
100919sk7.jpg


現在のiTunesアイコンの音符を基準にしたいので、その512pxの画像を取り出して、Sketch のウインドウにドラッグ&ドロップしてそれをトレースしていきます。
100919sk9.jpg
(トレースするときは、仮の色で半透明にして作業すると「ズレ」を修正しやすい)


トレースできたらそれぞれのレイヤをグループ化して、「Dynamic Shape」に✓し、「Union」を選択する。
100919sk10.gif
こうすることによって、グループを1つのオブジェクトのように扱えます。
グループ化を解除したらまたバラバラにできるので、普通の「Union」よりも融通が効く。


このグループを複製し、その1つをグループ化解除してそれぞれのレイヤにグラデーションを付けていきます。(複製するのは形を誤って崩してしまったときの予備を作っておく意味もあるので)

まず「お玉」部分から。
インスペクタを開いて「Fill」>「Radial Gradient」を実行。
グラデーションのガイドが表示されるので、中心・円周・楕円の具合を調整して、だいたい元の「お玉」の部分の形に合わせます。
100919sk11.jpg
半径にあたる部分のライン上をダブルクリックすると、その部分の色を設定できます。
(グラデーションの自由度はかなり高いと思う)


次に内側に半透明の楕円を描きます。楕円の形をアンカーポイントを弄ってちょっと崩した形にします。
100919sk12.jpg
インスペクタで白の透明で内側の影を付けます。
(Inner Shadow だと輪郭が強調されすぎなんだけど、見なかったことにしよう・・・)



もう一つ楕円を描いて、青白ぽいっ色から透明になるようにグラデーションを付けます。
100919sk13.jpg


これができたら「お玉」の部分をグループ化。複製してもう片方に合わせて傾きや形などを微調整します。



次に♫の上部に色を付けていきます。
縦方向にグラデーションを付けます。(お玉の部分との境はできるだけ近い色になるように調整します・・・と書いてるけど、ほとんど隠れてしまうのであまり意味はないので忘れて下さい。画像の方に書いた文を修正してないだけです。)
100919sk14.jpg


この上の部分を複製して、今度は横方向にグラデーションをかけます。真ん中の部分は透明にし、下のレイヤが見えるようにする。
100919sk15.jpg
(なんだか苦し紛れな表現方法だけど、バージョンアップでそのうちブレンドモードが使えるようになるらしいので、もっと楽になるかと思います。)



次にテカリ部分の Vectorツール で描きます(下のピンク部分)。はみ出すように描いて、あとではみ出した部分を統合して重なり合った部分を残すようにします。
100919sk16.jpg
予め下のレイヤを複製しておきます。BooleanIntersect を実行すると2つのレイヤの重なり合った部分が残り1つのレイヤになります。(元のレイヤは無くなるので複製を作ってから)

上記の方で書いたグループの「Dynamic Shape」を使った方法でもOKです。



この部分にもグラデーションをかけます。
100919sk17.jpg


その次に、また上部の部分の複製を作ります。(レイヤの順番に注意。「テカリ」部分のすぐ下のレイヤにします。)一番上部の「横棒」部分のみに色を付けて下の方は透明になるようにグラデーションを付けます。
100919sk18.jpg
レイヤの重なり具合で、ちょうどエンボスの段差がついたような感じにします。
(言ってることが通じるか自信がないけど、意味わかるかな?)

さらに、このレイヤのおかげで下のレイヤの縦の影の部分が見えなくなってしまうので、横方向に縮小します。
100919sk19.jpg




次に右側の縦棒部分の「テカリ」を表現します。
新規のレイヤで四角を描いてグラデーションを付けます。
100919sk20.jpg




次に横棒部分の上下に細い「テカリ」のラインをつけます。
Vectorツール で新規に描き、グラデーションで色を調整します。
100919sk21.jpg
Sketch に「ぼかし」機能のようなものがないので、「Shadow」で代用します。
オフセット(X,Y)は0にして、Blur でぼかし具合を設定します。色は水色で。

ちょっと苦しまぎれの方法だけど、それなりに「ぼかし」たように見える。





最後に一番最初に予備でとっておいたグループのレイヤをまた使って、♫全体に「影」を付けます。
このレイヤを最下層にして、青色にします。影を適当に付けて出来上がりです。
100919sk22.jpg



できたものはこんな感じ。※あまり拡大して見てはいけない。
100919sk23.jpg
同じ表現でも、人によっていろいろなやり方があるので、上記で書いた方法が一番いいとは限りません。



('10/10/01追記)
上記で描いた「♫」を作者さんのサイトで作品例として採用してもらいました。
興味ある人はダウンロードしてみて下さい。
Sketch | Examples
Sketchの編集可能なサンプルファイルとしてダウンロードできます。
(追記おわり)





Sketch」をいろいろ弄ってみて、ここでは触れていないけど、ストロークに太さを与えたり、回転しながら連続複製する機能があったり、いろいろおもしろそうな機能がたくさんあります。
version1.0.0 のころはバギーな点が多かったけど、バージョンアップを重ねるごとに安定してきています。
そのうちブレンドモードも付けるって作者さんがTwitterでつぶやいていたので、上記の苦し紛れの表現方法もずいぶんと楽になると思います。

あと「Sketch」はベクター機能に特化しているアプリケーションなので、コアイメージフィルターなどビットマップ編集機能はありません。最近のベクターアプリには大抵付いてたりするので、その辺りを期待しない方がいいでしょう。
購入を考えてる人は1ヶ月の試用期間があるので試してみるのがいいでしょう。







この記事では Sketch 1.0.4 を使用しています。

(ダウンロードリンク)
Site top page : Home | Bohemian Coding
Download page : Sketch | Vector drawing for OS X



(関連記事)
DrawIt Lite --- 同じ作者さんのベクターアプリ
(フリー版の「DrawIt Lite」は公開停止 → シェアウェアの「DrawIt」になっています)

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Graphic | CM:3 | TB:0

tag : VectorImage  Drawing 

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ArtRage 2
icn_ArtRage2.jpg
ArtRage 2 : 油彩・鉛筆など様々な描き方ができて使いやすいお絵描きツール
OS10.3.9以上(UB)
シェアウェア \3,040 (機能制限版はフリー)


油彩・鉛筆・マーカー・クレヨン・チョークなど様々な描き方ができて、使いやすいお絵描きツール「ArtRage 2」の紹介です。

100827ar1.jpg

実際に紙の上に描くような感覚で使え、ユーザインターフェイスも使いやすく、お絵描きが好きならフリー版でもけっこういけてるアプリケーションだと思います。
(僕は持っていないけど)ペンタブレットがあればもっと楽しいと思う。


既に上位版の「ArtRage 3」が公開されているんだけど、機能制限付きのフリー版の ArtRage 2 で試しています。
フリー版ではレイヤー、ステンシル機能、各種ツールが使えなかったり、いろいろ制限されています。
お絵かきツール | ArtRage 2.5 機能比較表 | イーフロンティア


下の紹介動画は「ArtRage 3」のものです。




ArtRage 2 では「油彩の筆」「鉛筆」「チョーク」「マーカー」「クレヨン」風に描くことができます。
100827ar2.jpg


左下で油彩や鉛筆などツールを選択して、その太さや筆圧などの詳細を設定しながら描いていきます。
例えば「筆」ツールで説明すると・・・
100827ar3.jpg
実際に筆で描いているみたいに、一筆描きをしていると絵の具の補充量によって、徐々にかすれていくようになっています。



右下が色パレットになっています。
100827ar4.jpg
色を重ねていくと、まだ絵の具が乾いていないかのごとく、下の色と混ざり合うようになります。
(「すぐに乾燥」させる機能はフリー版では使用不可。)


「自動洗浄」をOFFの場合、直前に描いたものの絵の具が残っており、次の色を塗るときに残ります。
100827ar5.jpg

OFFのときは右下に「洗浄用のコップ」が表示されているので、ここを何回かクリックすると筆を「洗って」いきます。
100827ar6.jpg



option+space+ドラッグ(もしくは中央下のツールで) でキャンバスをウインドウ内で回転して表示できます。
100827ar7.jpg
キャンバスを回転して、筆のタッチの方向をやりやすい方向から描けるようになっています。




よく使う操作のショートカットキーを挙げると・・・
  • space+ドラッグ キャンバスをドラッグ
  • shift+space+ドラッグ(左右)でズームイン・ズームアウト
    マウスのスクロールホイールでも同様
  • option+space+ドラッグ でキャンバスの回転
  • Dキー(半角英数で)キャンバスを初期状態に戻す

  • 右クリック or enterキー でインターフェイスの表示/非表示

  • option+クリック でポインタの位置の色を拾う

  • command+Z Undo
  • shift+command+Z(or command+Y ) Redo

  • Tキー(半角英数で)トレース画像の表示/非表示

  • でツールの太さ調整
  • で筆圧調整
    (それぞれ shiftキー を合わせると10%ずつ調整できる)





ArtRage 2 の「トレース機能」がよく、絵がうまくなくてもそれなりに画像なんかを模写スケッチできます。

例えば、下のような猫画像をトレースしてみます。
(↓トレースする元画像)
100827ar8.jpg


まず command+N で新規作品を作成します。
このときにトレース用の画像を読み込みます。
(後から ツールメニューから画像を読み込んでもOK)
100827ar9.gif
ついでにこのときに、キャンバスの大きさ、紙質、なんかも設定できます。


トレース画像を読み込むと、うっすらと背景に元の画像が表示されます。
100827ar10.jpg

そして ツール メニュー > トレースオプション
トレース画像から色を拾う」に ✓ します。
これで、絵の具の色が自動で最適なものが選択されるので、絵が下手でも簡単に描けるようになります。


「筆」ツールで背景から塗り潰していきます。
同じ色がつづく箇所はベタ塗りして、異なる色の境界や複雑な箇所は、筆で「点描」するような感じでコツコツとクリックしていきます。(最初は太めのサイズで全体を塗り潰してから、後で細かな部分を描きます)
100827ar12.jpg

Tキー でトレース画像の表示/非表示を切り替えられるので、確認しながら作業を進めます。


細かな部分は筆の太さを細く設定して描きます。難しいところは「点描」のようにクリック連打して、あとからその部分を筆でなぞるといった感じで。
100827ar13.jpg


最後に「鉛筆」ツールでひげを描いて完成です。
100827ar14.jpg


command+E で画像ファイルを書き出します。書き出せるフォーマットは下記の通りです。
100827ar15.gif

(本体は拡張子「.ptg」のファイルで保存しておきます)



それでできたものがこれ↓。
猫画像をトレースしたもの

大きく見たら粗いけど、サムネイルサイズぐらいだといい感じに見えます。
絵心無しでも簡単に描ける!






この記事では ArtRage 2.5 Starter Edition を使用しています。

(ダウンロードリンク)
Site top page : イーフロンティア
Project page : お絵かきツール | ArtRage 2 | イーフロンティア
Download page : お絵かきツール | ArtRage 2 ダウンロード | イーフロンティア



ArtRage 3(OS10.4以上)のページ
お絵かきツール | ArtRage 3 | イーフロンティア

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tag : Drawing 

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